私達は、アルフォンス・デーケン氏が提唱されたデス・エデュケーション(死への準備教育)という考え方を大切にしています。
日本では、死はとかく伏せて扱われがちですが、自分の死を見つめ、どのような死を迎えたいのか考えてみることは、自分の生の意義を考えることでもあります。
高齢になってくると家族から離れ、友達からも離れ孤独になっていきます。特に、認知症になると、失語や失認など自分に自信が持てなくなり、周囲とコミュニケーションが難しくなってきます。そのような生きることへの主体性を失いつつある高齢のご利用者様に、最期の瞬間まで「笑顔が溢れ、輝きを放っている存在」であり続けて頂きたいと切に願っています。
そのために私達に何ができるか、工夫することができないか、私達は日々考え行動を積み上げて行きます。
そして、職員自身も自分自身の死を見つめることで、自分の時間が限られていることを悟り、時間の尊さを発見し、残された時間を有意義に過ごし、「笑顔が溢れ、輝きを放っている存在」になることを追求していきます。
そして、職員が輝くことこそが、家族のように一緒に日々を過ごさせて頂いているご利用者の皆様に輝いて頂ける、その土台になると信じています。
「いかに長く生きたとしても、人間らしく意義深い生を全うできなければ虚しいことです。意義深い生涯を送ったかどうかは、より多くの愛をこの世にもたらしたかどうか、日々の努力によってこの世を少しでも温かく、住みよい場所にしたかどうかで決まる」
アルフォンス・デーケン